隅田川テラスさんぽ

朝から妙な空虚感に取り憑かれて、

なんにもやる気が出なかったので、

お散歩に行ってきました。

旅のお供はAir Pods

だんなに子供たちを見てもらって、
ひとりで隅田川テラスまで。

だんながAir podsを貸してくれました。

お散歩のBGMはエレファントカシマシの、
『悪魔のささやき~そして心に火を灯す旅~』にしました。

旅の歌ばかりのアルバムだから、
という単純な理由で選びましたが、

『心に火を灯す旅』
まさにこれが
このお散歩という小旅行の目的じゃないか、
と途中で気付きました。

Air podsの音が良くて、
いつも以上に
歌声や細かい楽器の音が聞き取れました。

もうこれだけで、結構贅沢な時間です。

神田川から隅田川テラスへ

浅草橋から神田川沿いに柳橋まで歩きます。

ここは、江戸情緒が微かに感じられる場所です。

柳橋のたもとに亀清楼という、
老舗会食料理店があります。

2回ほど、
その店でランチをご馳走になったことがあり、
だだっ広い和室には
隅田川を見下ろす料理屋の一室で
宴会をする相撲取りが描かれた
浮世絵が掛けられておりました。

1枚の絵で、
お店の持つ長い歴史を
余すところなく表現できるものか、
と感動したのを思い出しました。

あの時、
ランチに連れて行ってくれたおじさんは
おかしな人だったな…
まだ元気にしているのだろうか…

と余計なことを思い出しながら
亀清楼の前を通ると、

なんと、
休業のお知らせが!

建物の老朽化による休業で、
いずれ再開するとのことです。
よかった。

川沿いから一旦離れて、
総武線のガード下を両国方面に向かいます。

20年以上住んでるけど、
ほとんど馴染みのない道です。
本当に旅行に来たみたい。

隅田川テラスから浅草方面へ

急に視界が拓けて、
大きな隅田川と、
その向こうに東京スカイツリーが見えます。

決して風光明媚な土地ではないけれど、

海に向かうたっぷりした水の流れ、
高速道路と時々過ぎ行く総武線、
宇宙戦艦みたいな観光船、
そびえ立つスカイツリー

視界に入ってくる物体が
全てダイナミックで、
バランス感覚が崩壊してて、
笑えます。

そしてあちこちに掲げられた
浮世絵の描かれた看板。

江戸時代の面影はない、
すっかり変わり果てた街の中に、
今も隅田川は流れている。

私のような不勉強な輩でも
その事実を思うだけで、
歴史のロマンを感じることが
できます。

今度はもうちょっと勉強してこよう。

幸せよ、この指に止まれ

モヤモヤと気になっていることを
あれこれ考えながら、
蔵前橋を過ぎて、
ひとやすみです。

コーヒーでも買ってくるんだったなあ。

ボケーっとしてたら、
聴いていた歌の歌詞が
耳に飛び込んで来ました。

雨のち晴れ
Like a rain
心が閉ざされてる時も、
新しくて 同じあの風が
吹いているんだぜ

文章にすると多少陳腐な感じがしますが。

心の窓が閉まっている時でも、
窓の外はいつもと同じように
風が吹いてて、

風はいつも同じだけど、
常に新しくて、
窓を開ければ
その風に出会うことができる、

みたいな意味でしょうか。

ちょうど自分の心が
閉じていると感じていたので、
グッときてしまいました。

だからといって、
すぐに心がオープンには
なりませんが、

煮詰まった時には
風を感じに出かければ良いんだ、
と前向きな気持ちが湧いてきました。

厩橋に向かう手前で引き返して
帰路に着きました。

そして家路に

来た道を逆に歩いて行くと
すぐに見慣れた浅草橋の駅が
見えて来ました。

楽しかったなー。
今度は子供達も連れてこよう。

サントワマミーの歌詞が頭をよぎりました。

RCサクセションのやつしか
知らないけど。

この僕の
行き着くところは
お前の胸
他にないのさ

結局子供の事ばかり
考えているのですが。

不思議なもので

大人になると、
感受性それ自体は
若い頃に比べて
絶対衰えているのに、

些細な事で
感動したり、喜んだり
切なくなって
涙が流れたりします。

道端の朝顔のタネを見て
泣けてきたのは
自分でもどうかしてると
思ったけど。

天気も良くて、
思い出に残りそうな
一日になりました。

この記事を書いた人

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リョウコ

1974年生まれ。子供が2人と旦那が1人で、栃木県在住。
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