傾聴、
はまらないだろうと思ってたけど、
けっこう楽しんでます。
朝の傾聴
朝、幼稚園に息子を送って行く時に
工事現場の警備の人に挨拶をします。
「おはようございます!」の他に、
「今日は寒いですねえ」とか
「今日は遅いんじゃないの?」とか
ひと言、ふた言声をかけあう程度の間柄です。
息子を幼稚園に預けて、一人の帰り道、
その警備のおじさんに
「お疲れ様です!」と言って
通り過ぎようとしたら、
「最近は歩かないの?」と聞かれました。
娘も小学校まで送る時があって、
二往復するのは流石にしんどいから
ちびっこは自転車になっちゃうことが
多いんですよね〜、
などと他人にはどうでもいい、
細い理由を説明してしまいました。
そこから会話が始まってしまったので、
最初、(しまった〜!長話になってしまう・・・)
と思ったのですが、
いやいや、傾聴させてもらっちゃおうと
傾聴マインドを整えて
「そうなんですね〜」
と聞かせていただきました!
おじさんの見方が変わった
警備の制服が板についてる、そのおじさんは
60歳半ばくらいでしょうか。
当初からの印象は、偏見だけど
「刹那的な生き方してきたんだろうな〜」
みたいな感じでした。
しかし、傾聴してるうちに
次第におじさんは自分の来し方を
滔々と語ってくれました。
1kのマンション3つと
一戸建てを1つ持っている、
プロの大家だってこと。
運送会社に長く勤めていて、
各種車の免許があること。
子供が3人いて、一番下の26歳の娘は
美大を出てフランスに留学させて、
今はオーストラリアに住んでいること。
えーーー!
おじさん、すごいねーーー!
話を聞いたら、
さっきまでのおじさんとは
違って見えます。
生きる意欲と自信に満ち溢れて、
退屈しのぎに警備の仕事をしながら、
小さい子供を連れたお母さんにも
興味を持って話しかけてみる・・・
そんな素敵な人物に見えてきました。
「その人のことをどう見てるかで、
その人から引き出されるものが変わる。」
先日のセミナーで習ったことを
思い出しました。
人生いろいろだな、と驚嘆して、
家路に着きました。
実は、以前は傾聴していた
さて、家に帰る間、
「この感じは、何かに似ている・・・」と
考えていたら、あ、そうだと思い当たりました。
私は長く居酒屋勤めをしていたのですが、
お店のお客さんと会話してる感じに
そっくりだったのです。
お店に出てた時は、
当然だけど、
お客さんには気持ちよく
お話をしてもらうために
議論をふっかけたり
反対意見を述べたりはせず、
どんな話でも「そうなんですね〜」と
聞いていました。
お客さんの話を聞く時は、
ココロの中で
(くっだらねえなあ・・・)
と思いながら聞くより、
(ふむふむ、それで?)
と興味を持って聞いた方が、
自分も楽だし、相手もその方が
気持ちよく話せるだろうと思って
意識的にそうしていました。
今思うと、傾聴していたのですね。
ただ、お客さんの中には
ひどいことを言う人もいるし、
本当にめんどくさい人もいます。
そんな時は、
(これでお金もらってるんだから、ガマンガマン)
と自分に言い聞かせていました。
『お仕事だからちゃんとやらないと』
という意識と
『仕事じゃなければやってられない』
という意識が渾然一体となって、
いつしか、
『仕事じゃないのに、人の話なんか聞いてられっか!』
という風にすり替わってしまったのかもしれないな・・・
という考えに思い至りました。
そうそう。
もともと、私は優しい性格だったはず。
人に寄り添って話を聞いてあげたいと
願っていたはずなのに、
すっかりスレてしまったのだな。
少しだけ、自分の気持ちの変化を感じました。