【閲覧注意】【怖い話】真夏の夜の夢

夏だから、

涼しくなるような

不思議なお話をひとつ。

 

タンポンって知ってますか?

 

そう、生理用品です。

 

男の人は見たことのない方も

いると思います。

 

生理の時、膣に挿入して止血します。

 

挿入したタンポンを抜くために

紐がついてます。

 

その日、私は子供と一緒にプールに行く

約束をしておりました。

 

しかし、朝、生理の兆候が見られました。

 

どうしよ・・・。

 

子供はプール楽しみにしてるし、

「生理になっちゃった・・・」って

子供に説明しだして、

話がややこしくなるのも

嫌だったので、

やむなくタンポンを使用して

プールに行くことにしました。

 

タンポンなんてここ数年使ってないし、

だいたい、

いつ買ったタンポンだか

わからないものでしたが、

まあ背に腹は代えられない。

 

時間もなかったので、

割とテキトーに装着して

プールに出かけました。

 

そんで、プールから帰って

タンポンを抜こうと思ったら、

 

あら?

 

ヒモが・・・

 

ない!!!

 

えええーーー!

 

どこにもありません。

 

どうすりゃいいんだ・・・。

 

午後になって、

結構血まみれになってきて、

きっとタンポンの許容量を超えて

漏れてきたんだ・・・

と焦りました。

 

ググったら、

「飛び跳ねたら抜けました」なんて

書いてる人がいたので

飛んだり跳ねたりして見ましたが

ダメでした。

 

結局、夕方から娘の英語の塾に

行く予定があったので

タンポンのことはまたあとで、

と考えないことにしました。

 

んで、土日。

お風呂場などで

指を入れて探してみたものの

全く見当たらず。

 

なんか変な所に迷い込んじゃったのかな・・・?

 

ばい菌が繁殖して、

お腹痛くなって救急車呼ぶのとかやだなあ・・・

とか思いつつも、

土日で病院もやっていないので

どうにもならず。

 

もやもやとした週末を過ごしました。

 

かかりつけの婦人科がない

 

明けて月曜日。

 

2回の出産を経ているのに、

かかりつけの婦人科はありません。

 

それどころか

婦人科に対する不信感しかないから、

どこのお医者さんに相談したら

良いのだろう?と

近隣のクリニックを検索しました。

 

それで水天宮の、

肛門科と婦人科を併設してる

個人医院にあたりをつけました。

 

婦人科と一言で言っても、

産婦人科とか、

不妊に悩む人たちのかかる

クリニックとか、様々です。

 

私の家から一番近いのは

娘の出産でお世話になった

三井記念病院の婦人科ですが、

こちらの先生方は

本当に事務的・機械的な対応で、

お値段も高いし、待ち時間も長い。

 

他にもいくつか

行ったことのある病院は

あったのですが、

割とスタイリッシュな医院だったりすると

この、なんとも間抜けな案件に

ちょっとそぐわないかなと

余計な気を回して見たりして。

 

(今にして思うと随分余裕ぶっこいてるな、

という感想ですが。)

 

それで、肛門科と婦人科というのが

非常に相談しやすそうだなと思い、

「よし、ここに行こう!」と

心に決め、月曜日の午後に

水天宮まで電車に乗って(二駅ほど)

行って参りました。

 

友人がすむマンションの近くだったので、

だいたい当たりは付いていたのですが、

行って見たらその医院はありませんでした。

 

ウェブサイトを見直して見たら、

2005年の記事でした。

 

なんと・・・!

 

平成最後の夏にこんな目に合うなんて。

 

通りすがりのクリニックに駆け込む

 

しかし、

月曜のこの午後になんとかしないと、

二人の子供は一日中家にいて、

なかなか病院に行く時間は取れないのです。

 

藁にもすがる思いで、

通りすがりの婦人科に駆け込みました。

 

『水天宮コパレディースクリニック』

という病院です。

 

そこは、ビルの一階にある、

新しく出来たっぽい、

綺麗な外観の医院でした。

 

自動ドアが開くと、

すぐに受付のお姉さんが座っていて、

「こんにちわ〜」と挨拶してくれました。

 

「初めてなんですけど、いいですか?」

と聞いて見ました。

 

「いいですよ〜、今日はどうなさいました?」

 

「・・・あの〜、タンポンが取れなくなってしまいまして・・・」

と言うと

あ〜(察し)、みたいな表情で、

問診票を差し出されました。

 

それに諸々記入して待っていると、

奥から看護師さんが出てきて、

自費診療になるけどいいですか?

と問われました。

 

(いくらかかるんだ・・・?

しかし、もう誰かになんとかしてもらわねば・・・

自分ではどうにもならないわけで・・・)

と葛藤しながら、

 

「いくらぐらいかかりそうですか・・・?」と

聞くと、「4000円くらいですかね。」とのこと。

 

「「お願いしまーーーす!」」

 

では少々お待ちください、とのことで、

待ってる間、待合室を見回すと、

壁に黄色の玉を持った黄色い龍と

赤い玉を持った赤い龍の刺繍の掛け軸。

 

壁の色もラベンダーピンクで、

他にも色々飾ってあって、おしゃれ〜。

 

最近の婦人科はこういう温かみのある

スタイリッシュなところが多いですな・・・とか

思ってたら、診察室に呼ばれました。

 

どんな先生だろ・・・と恐る恐る診察室に入ると、

30代前半くらいの若い、

チンピラっぽい先生が、

開口一番言いました。

 

「あなたで3人目ですねー!」

 

へっ?と1秒くらい考えて理解しまして、

 

「あ、えっと、開院以来?」

 

「いやいや」

 

「じゃ、お医者になってから?」

 

「いや」

 

「ええ!じゃあ今日?」

 

「いやー、7月8月で、ですよ。」

 

なんだよ・・・。

 

多いのか、少ないのか、わかんねーよ。

 

まあ、いいや。

 

「処置したら、念のため内診もしときますから。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

いざ、診察台へ。

妊娠中は毎月診察を受けてたのに、

久しぶりで緊張する。

 

先生が内視鏡を見ながら・・・

 

「・・・ない・・・!」

 

「・・・ない・・・?」

 

「ないですね。」

 

「ええー!子宮に入っちゃったとかってことは〜?」

 

「いや・・・それはないです。」

 

先生曰く、トイレに行った時とかに

抜けちゃって気づかないってことも

あるみたいですよ、とのこと。

 

念のためと言って

触診してくれましたが、

やっぱり何も見つかりませんでした。

 

うわー、もう、なんだったんだ。

 

恥ずかしい・・・

 

 

診察室に入って、ありがとうございました・・・と

言ったら、

「子宮がん検診は受けてないんですか?」と

聞かれました。

 

「あ〜、受けてないですね・・・」と答えると、

 

「区のチケットがあれば、今日の検診の費用が

返ってきますよ、後日でいいから持ってきたら?

検診も受けた方がいいし。」

 

確かに。

と思っていると、

 

「ただね」

「この診療所、8月で終わっちゃうんですよ。」

 

なんだとー?!

 

「診察は8月10日までなんです。」

 

じゃ、ダメじゃん・・・。

 

「だから8月10日までに

またチケット持って診察に来ていただいて。」

 

まじか・・・。

 

「でもねー、ひとつ問題が。

診察結果をお渡しできないんですよ。」

 

じゃ、ダメじゃん!!

 

「まあでも、10日までに来てください。今日の診察は2千円でいいです。」

 

狐につままれたテイで、

2千円をお支払いして

帰って来ました。

 

帰りの電車で、

おっかしなクリニックだったなあ・・・と

水天宮コパレディースクリニック』で検索して

ホームページを見てみると、

 

「当院について」に

 

「コパクリニック・グループの長であり、

 私の父であるDr.コパは

 風水・地理・家相を専門としています。」

 

って書いてある・・・!

 

Dr.コパの息子さんなの?

 

あ、それで、コパクリニック!

 

あ、それで、黄色の玉を持った龍・・・!

 

ああ・・・。

 

そうなの〜。

 

なんとも狐につままれたような夏の一日。

 

駅から家までの道すがら、

自分の勘の悪さに

声を出して笑ってしまった。

この記事を書いた人

Avatar photo

リョウコ

1974年生まれ。子供が2人と旦那が1人で、栃木県在住。
詳しいプロフィールはこちら。