幼稚園の先生と児童にも相性はある

あれは11月の中旬のことか。

 

息子の幼稚園のクラスの

担任が変わったのだった。

 

体罰で

 

担任の先生が、児童を叱るときに

平手で叩いてしまった・・・

 

それを担任自ら園長先生に報告して、

園長先生は区の教育委員会に相談して、

教育委員会から「担任を交代してください」と

指導があった・・・らしい。

 

突然、臨時の保護者会が召集され、

 

「こういうことがあったので、

 担任が代わります〜」

 

と決定事項の報告だけが

なされたので、みんなびっくらこいた。

 

私は、その体罰にあった子のママと

PTAで親しくしていたので、

事前にラインで聞いていた。

 

でも、みんなは噂でその話を知っていた。

 

噂では、体罰された子の親が

いわゆるモンスターペアレンツで

園に乗り込んで

担任を替えろと喚き、

区の教育委員会にも直接電話して

「担任かえてください!ギャー!」と

やった・・・らしいという話になっていた。

 

だから、臨時保護者会では

体罰をされた子よりも

体罰をした先生の方に同情が集まり

泣き出すお母さん続出で、

何だか妙な空気になってしまった。

 

保護者会終わりの公園で

 

釈然としないまま

保護者会は終わってしまったので、

その後、公園で子供を遊ばせながら

みんな好き勝手なことを

言い合った。

 

私はなるべく黙って聞いていたけど、

驚いたのは体罰を容認する人が

多かったこと。

 

「ちょっと叩いたくらいならしょうがないんじゃない?」とか

男の子のお母さんは、

「うちの子は厳しく指導してくれと言ってる」

みたいな発言もあって、

正直、平成も終わりだってゆうのに、

東京のど真ん中の、

いわゆる意識高い系なはずなのに、

びっくらこいただ・・・。

 

先生に叩かれた子は、

クラスにいまいち馴染めなかったのか、

わからないけど、

クラスメイトを叩いちゃったり、

つねっちゃったり、

靴を踏んじゃったりしてて

その被害者の親御さんたちは

当然その子に良い印象は持ってないのです。

 

だからある種、

「叩かれて当然」的な

雰囲気がその場では支配的だったのだ。

 

子供に悪意があるわけなく・・・

 

当たり前のことだけど、

3歳の子供が明確な悪意を持って

「こいつを叩いて嫌な目に合わせてやろう」とか

思うわけはないのである。

 

大人が誰かを叩くのと、

3歳の子が叩くのは意味が全く違う。

 

3歳の子は、表現方法がわからないから

叩いたり、引っ張ったり、

泣いたり叫んだりして

自分の中のよくわからない感情を

懸命に伝えようとしています。

 

もちろん、3歳の子も自分が叩かれるのは嫌。

 

だけど、ヒトを叩く時は

興味を持って欲しい、

一緒に遊びたい、

とかだったりする。

 

あるいは楽しいから叩くなんて時も

おそらくあるに違いない。

 

自分の子供が叩かれたら、

親だったらやっぱり

「なんじゃこのクソガキがーーー!」って

思っちゃう気持ちもわかるけど、

「子供だから仕方ない」って

寛容な気持ちを持って接しないと

いけないのではないでしょうか・・・。

 

親が申し訳なさそうにしないと・・・

 

またもう一つ、

あちこちから聞かれた意見がありました。

 

それは、体罰された子のお母さんが、

自分の子が他の子を叩いちゃった時とかの

態度が全然申し訳なさそうじゃなかった、

という話。

 

端的に言うと

「あの人、謝らないんだよねー」

って言葉に集約される。

 

なんとなく堂々としてる印象だったのでしょうね。

 

その気持ちも、

やっぱり私にはわかるのですが、

それは特大のブーメランになって

自分に帰ってくると思う。

 

子供が騒ぐ、走り回る、

叩く、乱暴である・・・

 

これらは子供の当たり前の特性であって、

じっとしてられる子、

おとなしい子、声の小さい子・・・

そう言う子ももちろんいるけど、

じゃあそう言う子は、

いわゆる「子供らしい子」とは

違うのではないだろうか。

 

子供は意味もなく叫び走り回り、

理不尽に他人を叩き、

ぎゃあぎゃあ泣き喚くもの・・・

 

それを子育てしてるお母さんたちが

知らないと言うなら

それは自己欺瞞である。

 

電車の中では、レストランでは、

なんとか穏便に過ごして欲しいと

いつも肩身を狭くして願っているではないか。

 

それでも暴れまわる我が子に

世間の目は無理解で、

親の躾が〜などと陰口を叩かれて、

胸を痛めているわけじゃないですか。

 

なんで我々は堂々と、

「子供だから仕方ないっす!」って

言えないんだろう。

 

親と子は別の主体だから、

子供のことコントロールすることは

出来ないんだよ。

 

出来ないのに、出来ると信じてるから

ほら、芸能人なんかでさあ

もう大の大人になったご子息なんかが

覚せい剤かなんかで捕まって、

「誰々の子が覚せい剤で〜」とか書かれて、

親が記者会見開くみたいな。

 

もしかしたら、

自分も申し訳なさそうにしてるのに、

あの人は申し訳なさそうにしてない!

だから許せない!

っていう発想なのかもしれない。

 

だとしたらその考えは捨てた方が良いと思う。

 

その先に幸せはないです。

思うこと

 

うちの息子が、体罰された子と

仲がよかったので

割と観察してたのです。

 

私の中では、体罰してしまった先生は

『えこひいきする先生』という印象でした。

 

うちの息子はものすごく好かれていた(と思う)。

 

仲良くしてたそのお友達は好かれてなくて、

見ていると、何かトラブルがあった時は、

必ず、うちの子は悪くなくて、

お友達が悪いことに勝手にされていて、

そういう場面を

春先からよく見てたから

正直、これは

起こるべくして起きた事件だな〜という

感想しかない。

 

先生も一人の人間で、

子供とはいえ相性があると思う。

 

先生もガマンして、なんとかしなくてはと

頑張っていたんだと思う。

 

でも私から見えた姿は、

申し訳ないけど

子供に対する『レッテル貼り』を

頑張っちゃったようにしか

見えない。

 

「この子は悪い子だからなんとかしないと」って

その子にロックオンして、

その子もそれに答えて

「僕は悪い子だから期待に応えないと」って

非常にたちの悪いグルーヴを生み出してしまった。

 

誰も悪くないのだ。

 

ただ相性が悪い。

 

こういうことは大人になってもよくある。

 

なんとか臨機応変な対応を

お願いしたいものである。

この記事を書いた人

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リョウコ

1974年生まれ。子供が2人と旦那が1人で、栃木県在住。
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