娘ももう7歳になり、
絵本よりもマンガや文字の多い本を好んで読むようになってきました。
入れ替わるように4歳の息子は、少しづつ絵本に興味を示すようになりました。
絵本と関わりをもつ時期というのは、
人生の中で本当に短いんだと実感しております。
特に娘と一緒に絵本を読む機会は、この一年が人生最後かもしれない・・・。
思い残すことのないように、
今年はちょっと頑張って、絵本をたくさん読みたいです。
読んだ絵本の感想を書き残すことは、
自分の励みになるかもしれないから、
定期的に絵本の感想をブログに書くことに決めました。
今日はこちら。
『ぼく、いってくる』
マチュー・モデ作 ふしみ みさを訳
光村教育図書、2013年発行
作者のマチュー・モデさんはフランス生まれで、
イラストレーターとしてキャリアをスタートされた方のようです。
私は、図書館で借りてきたのですが、手にとった時、
一目で絵がすごくかわいい!と気に入りました。
絵本との出会いは、第一印象が本当に大事。
小鳥の坊やが、
「決めた!行ってくる!」と宣言するところから物語は始まります。
冒険が始まる予感がします。楽しみですねぇ。
子供を見ていると、彼らの住む世界は
大人の我々の住む世界とは明確に異なっているようです。
何しろ、お風呂の中にはお魚がたくさん泳いでいて、
水たまりはワニが住んでるから、気をつけないといけないし、
ぬいぐるみも気軽に話しかけてくるみたい。
だから、ちょっとそこまで行くのも、大冒険になりうるのです。
いつもいつも、決めた!行ってくる!と
勇ましく出掛けているのでしょう。
我々大人はそんな子供を見て、
「行ってらっしゃい!どうかご無事で。」
と爽やかに送り出すことが出来ているでしょうか?
いつもいつも、あれを持ってけ、これはどうしたと先回りして心配して、
結果的に出鼻をくじいてないでしょうか。
私は非常に思い当たるフシがあって、
まるで自分のことを言い当てられたような気になりつつ読みました。
頑張れ、小鳥の坊や。
行く手を阻む敵が、
まさか冒険に出かける前にこんなに潜んでいるとは。
これは本当に、
現代を生きる子供のお話であると言っても過言ではないのではないか。
しかし、小鳥の坊やは、それでもくじけることなく
冒険に出かけることに成功します。
たとえ、小さな冒険でも、
君が決意をして困難を乗り越えて遂行することに意味があるんだよ!
そんな作者のメッセージが、こめられているのかどうかは
私にはわかりませんが
一筋の、希望の光を見たような気がしました。
うちの子供達は、
単純に「どこに行くんだろう?」という疑問と共に読み進めて、
ラストで「あはははは〜」となりました。
そして、子供達の一番の注目点は、
密かな旅の道連れがページのどこにいるのか、でした。
良いお話。
子供向けに楽しめるように描かれていて、実は大人向けの絵本かもしれません。