本日読んだのは、こちらの3冊。
『うさぎたちのにわ』 レオ=レオニ作 谷川俊太郎訳 、好学社 、1975年
『おぎょうぎのよいペンギンくん』 H・A・レイ絵 マーガレット・ワイズ・ブラウン文
ふくもとゆみこ訳、偕成社、2000年
『とびますよ』 内田麟太郎 文 にしむらあつこ 絵、アリス館、2018年
3冊とも、図書館で借りたものです。
あまり時間がないにも関わらず、優柔不断ゆえ借りる本がなかなか決まりませんでした。
そこで、「著名な作者の絵本」という縛りで目に付いたものを借りてきました。
『うさぎたちのにわ』 レオ=レオニ作 谷川俊太郎訳
言わずと知れたレオ=レオニ、言わずと知れた谷川俊太郎。
名作の匂いがプンプンします。
レオ=レオニさんの絵本は『あおくんときいろちゃん』しか読んだことがない私でも、
絵はいろんなところで見ている気がします。
グッズとかたくさんありますよねえ。
超メジャー、しかもおしゃれ。
私のもっとも触手の動かぬ分野なのですが、もちろん食わず嫌いでございます。
『うさぎたちのにわ』は、世界一美しい庭に住む2ひきのうさぎのお話です。
うさぎたちはいつでも好きな時に、好きなだけ、ニンジンを食べることが出来ました。
そして毎日、2匹で楽しく遊び暮らすことが許されていました。
ある日、年寄りうさぎは留守にする前に2匹のうさぎに言いました。
「ニンジンは好きなだけ食べていい。だが、りんごに手出しはしないこと」
もちろん、アダムとイブの失楽園のお話が彷彿されます。
そしてやっぱり蛇が出てきて、うさぎたちは蛇に促されてりんごを食べてしまいます。
うさぎは楽園を追放されるべきなのでしょうか?
蛇は、堕落へ誘う邪悪な生き物なのでしょうか?
年寄りうさぎは、約束を破ったうさぎたちに罰を与えるのでしょうか?
ところで、レオ=レオニさんは、オランダ生まれのユダヤ人で、大戦中にアメリカに亡命して
います。
そしてこの本が出版された1975年という時代の空気。
私は1974年生まれなので実際には知りませんが、ヒッピームーブメントが勃興し、ベトナム
戦争と共に終焉していった時代の空気感が色濃く反映されている、のかなあ、と一読して感想
を持ちました。
いや、もちろんそういう風に読むこともできるだろうけど、きっと違う。
レオ=レオニさんの絵本が時代を超えて愛され続けているのは、もっと普遍的な事柄について
描かれているからに違いないのです。
訳者の谷川俊太郎さんの言葉がココロに響きました。
魚や虫や小動物を愛するレオ=レオニは、もしかするとそれ以上に人間を
愛しているのではないでしょうか。この主人公たちは、自分たちの弱さ
を恥じもしないかわりに、自分たちの強さを誇りもしません。
そこに私は、作者の生き物に対する優しさを見ます。
絵本は素直なココロで読まにゃいけませんねえ・・・。
子供は、時代背景がなんとか〜なんて小賢しいこと、考えてません。
かわいいうさぎさんとヘビさんが仲良くなって、りんごはいつでもおいしくって。
それが生きる幸せというものなのだろう。
好学社
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