クチボソを3匹飼っている。
成魚が1匹、幼魚が2匹。
その幼魚のうちの1匹の背骨が大きく湾曲して見つかったのが
先月の25日。
何日か姿が見えなかったので、隠れ家のトンネルをのぞいてみたら
トンネルのカーブに体を添わすようにして
じっとしていた。
完全に曲がってたから、
(これはたぶん死んでしまうだろう・・・)と
他の水槽に隔離した。
とはいえ、何もできることはない。
しばらくは毎朝、今日は多分死んでるだろう・・・
と恐る恐る水槽を覗く日々だったけど
案外、背骨以外は健康のようである。
ゴハンもちゃんと食べれてるようだし。
でももうかつてのようにみんなで泳ぎ回ることは
出来ないんだよな・・・かわいそうに。
と、思ったけど本当にそうだろうか?
大きな水槽には、成魚のクチボソと成魚のタナゴ、
まだ幼魚だけど体のでかいカマツカがいる。
繁殖期のタナゴが縄張りを主張しまくってて
ちびクチボソたちは怯えながら暮らしていた。
別にスイスイ泳ぎ回りたかったわけじゃなくて、
逃げ回っていたとも言える。
水槽は広いけど、ちびっこたちが落ち着いていられる場所は
そんなにないのかもしれない。
今は体は負傷してしまったけど、
ストレスのない環境でかえって心は平穏かもしれない。
泳ぎ方、おかしいけど人間みたいに誰かが馬鹿にして笑うわけでもない。
別にかわいそうじゃないじゃん?と思えてきた。
この子も必死で生きてるけど、
他の魚たちも必死で生きてる。
とはいえ、自然界だったら生きながらえるのは難しいかもしれない。
でもここは自然界じゃないから、
どうしても延命措置を施してしまう。
延命が果たして幸せなんだろうか?という
優生思想に通じる危険な疑問はいつでも生じる。
自然界の生き物たちはみんな、死ぬまで生きることに
なんの疑いももってない。
私は、怪我をした生き物を見殺しにすることは出来ない。
そういうもの、それだけのことなんだと思う。
クチボソ、今日も生きてるかー?
クチボソ、長生きしてくれ、と今日も話しかける。